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エモエモ日記 #22 「プッチモニのテレホンカード」


【前回までのエモエモ日記】


少年たちはトランプを配っていた。


聞こえてきたのは呻き声と血の臭い。

部屋の外では先生が巡回しているのだ。

その時、岩塚は見張りをしていた。


虚ろな目をした文化的生活に嫌気の差した岩塚は、人間でいることが出来なかった先生に旅行を壊されることを望んでいた。


すると、先生の爪が、襖を破って侵入してきた。ハートの8を止めていた少年が、爪に刺されてしまった。他の少年たちは寝たふりをしている。彼らは笑いを堪えていた。自分自身も、すぐに先生の餌食になることに気付いていない。


ただ、これも旅行の一環であること、旅行が終われば文化的生活がまた始まることを嘆き、岩塚は泣いていた。


岩塚が見上げたとき、先生の体毛に貼りついていたクローバーの12が、源泉徴収票が、プッチモニのテレホンカードがこっちを見ていた。




どうなる岩塚!?











【たのしい社会】




子供の頃から、横暴な人間が嫌いだった。


むやみに人を傷つけたり、暴言を吐いたり。


そういう人間が嫌いだった。



もっと嫌いなのが、そういう人間を淘汰しない社会だった。


そういう横暴な人たちに限って、周りに人がたくさんいた。


そんな社会が嫌いだった。


「人に迷惑をかける」ということに必要以上に僕が怯えていたせいもあるかもしれない。




義務教育を終えて、社会人になって、と周りの人間が変わっていくほど、変化が訪れていった。


横暴な人間の周りに、あれほどいた人が、誰もいなくなっていた。


彼は、一人になっていた。


社会はちゃんと淘汰するのだ、と気付いた。




子供の形成されていた社会は、どちらかといえば弱者やはみ出しものを省いていた。


だが自我が育ち、選択することができるようになった人たちの作る社会では、弱者は弱者同士で、はみ出しものははみ出しもの同士で集まることができるようになったのだ。


彼らは互いの境遇を理解し合えるからこそ、集うのだろう。



だが、横暴な人間は、横暴な人間を許すことが難しい。


たとえ許せたとしても、横暴な人間たちで出来たグループは、そうでない人たちの社会から淘汰されてしまう。



生きていくほど、それが身に沁みてわかる、気がする。


そう考えると楽しい社会だ。


そういう大学には、こういうのを専攻して学ぶ学科もあるんだろうか。いいな。










【cyriak】


cyriakという映像クリエイターを最近になってようやく知った。



Cycles


日本語で「周期」というタイトル。


どこかの海辺の道路を同じ車が走っている。

そこを巨大なテディベアが通過していく。

車とテディベアはぶつからず、ただすれ違っている。


次に鳩が増え、テティベアが鳩を電灯で殴り、車に轢かれ…と、次々と「周期」が増えていく。時には混ざり合って別の周期になる。


やがて、その周期を受けて入れていた道路すらも歪んでゆく。

車に足が生えても、周期は周期を受け入れ、混ざり、続いてく。


面白くて気持ちのいい映像作品だ。





cyriakは他にもこんな作品も作っている。


meow mix



飼っている猫が鳴いている、というだけの映像を使って作曲し、作品に仕上げている。


何気ない風景から、どんどん想を膨らませている様子が手に取るようで面白い。



なんで猫が地面を開けるの?


なんで猫から猫が出てくるの??


なんで猫が燃えてるの????????






他にもいろんな作品があるんだけど、中には若干ホラーじみたものもあるので、苦手な人はご注意を!






また、cyriakは電気グルーヴのMVに起用されたこともある…が、



案の定、ヤバくて良い。




---------------------------------------------------------------------------------- 【次回出演情報】


蒸気展望vol.2『遂道』


本作は主宰 安孫子陶が高校2年時に作・演出をつとめ、高校演劇全国大会に出場した処女作『隧道(すいどう)』のリクリエーション作品です。

『隧道』は安部公房『砂の女』に現代性を持たせた作品でした。あれから3年。文化発信に精力的な劇場、キラリ☆ふじみという恵まれた土壌において、より現代性と文化的な広がりをもった『遂道』 をつくっていきたいと思います。


■作・演出

安孫子 陶

■出演者

浅見臣樹 <(劇)ヤリナゲ>

石井晴菜

岩塚光希 <喜劇のヒロイン>

浦田すみれ

後関貴大

小森ひなた

波多野伶奈

李勇雅

■プロデュース

かまどキッチン

■公演日程

2019年3月28日(木)-3月29日(金)

開演時刻

28日(木)|14:00/19:00

29日(金)|14:00

受付開始:開演60分前

客席開場:開演30分前

■場所

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ マルチホール

〒354-0021 埼玉県富士見市鶴馬(大字)1803−1

アクセスについて詳しくはこちらへ

■チケット

<前売>

一般 3000円

U22 2000円

高校生 1000円

トリオ 6000円(3枚セットでご予約いただけるお得な券です)

<当日>

一般 3500円

U22 2500円

高校生 1500円

(全席自由席・要予約)


下記URL、関係者よりご予約承っております。

■問い合わせ・公式サイトなど

■スタッフ

作演出|安孫子陶

演出助手|児玉健吾

舞台監督|ワタナベユウタ

舞台美術|鬼木美佳

音響|近藤海人

照明|松田桂一

制作|藤井のりひこ 加藤じゅんこ

主催|蒸気展望 かまどキッチン

プロデュース|かまどキッチン -------------------------------------------------------------------------------------




























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