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執筆者の写真岩塚光希

エモエモ日記 #23 「そんな人はいません」


【前回までのエモエモ日記】


歩けど歩けど、崎陽軒は後を追ってくる。

いや、違う。崎陽軒は「そこに在る」だけだった。


ここは横浜。横浜には地図が存在しない。

人々は点在する崎陽軒を目印に目的地へ進むのだ。

そんなマッドシティ・ヨコハマで終電を逃した岩塚は、迫り来る崎陽軒の波をようやく抜ける。


辿り着いたのは小さな公園だった。


中央には寝袋。敷かれた段ボールには、宣伝文句が書かれている。


「ホテルがライバル」


どうなる岩塚!?




【良いタイトルたち】


岸田國士戯曲賞の最終候補作品の一覧を見てた。


「またここか」

「アトムが来た日」

「わたし、と戦争」

「愛犬ポリーの死、そして家族の話」

「ローマ帝国の三島由紀夫」

「山山」

「反復と循環に付随するぼんやりの冒険」

「郷愁の丘ロマントピア」


戯曲のタイトルが並んでるの、すごくかっこいいな~と思った。



そうだ、と思いつき、喜劇のヒロインの団体LINEにメッセージを送る。


「ブログの題材にしたいので、タイトルが良いと思う戯曲を教えてください」


送ってから気付く。そうだ。そういえば今日は、来たるミノカモ学生演劇祭に向けての最終稽古日だ。ド忙しいに違いない。

僕は今回現場が違うので、すっかり忘れていた。


慌てて付け加える。「@暇な人」


返信が来る。「そんな人はいません」



おお、良いタイトル!


と思ったら違った。暇な人などいないと叱責されただけだった。

良いと思ったんだけどな。「そんな人はいません」


結果的に、1人だけこの話題に反応してくれた。

忙しいだろうにありがとう。



「ハムレット ウエストポーチ着用ver.」



あぁ、なるほど。めちゃくちゃ良い。

なんなんだ。ハムレットをなんだと思ってるんだ。



「いい加減にしろ、どうもさようなら」



喜劇の前回公演ですね。これは僕も好き。




次に、僕が良いなと思った戯曲のタイトル。


「生きてるものはいないのか」


「わたしは真悟」


「首無し乙女は万事快調と笑う」


「乱暴と待機」


「ヒッキー・ソトニデテミターノ」


今考えただけでこれくらい。もっとあるはず。




ちなみに喜劇のヒロインで一番好きなタイトルは、


「ショーは平静、この後も平静」


このタイトルは、もう来月には使えなくなるな。

その前に再演したかったね。




【僕の興味はwikipedia】


人付き合いが苦手だ。


下手、というほどではないと自分で思う。ある程度生きてきて、距離感がうまく測れなかったり、誤って傷つけることばかり言ってしまうだとかするタイプではない。

空気はなるべく読んでいるつもりだ。


だが、それが耐えきれないことがある。

「空気を読んでいる自分」を演じていることに疲れてしまう。

かといって、ありのままで(Let it go)、と言われても困ってしまう。21年生きてきた中で、他人と接するときの自分を形成しきってしまった。この自分は外の空気に触れると顔面の皮膚にべったり貼り付き、簡単には剥がせない。


僕は会話が苦手だ。上手に続けられない。


でも、人に興味がないわけじゃない。

むしろ人に興味はあるほうだ。


じゃあ何故人との会話が続かないのか?



もしかしたら、僕の人に対する興味は、Wikipediaを見るのと似ているかもしれない。


その人の略歴、プロフィールなんかを知りたくて会話していて、だからこそ人となりを探るようなコミュニケーションをしているのかもしれない。


一方的な興味しかないもんだから、会話が続かないのだろうか。そんな単純なことではないと思うんだけども。


人付き合いは難しい。これから十年くらいかけて上手になっていくつもりだ。




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【次回出演情報】



蒸気展望vol.2

『遂道』

本作は主宰 安孫子陶が高校2年時に作・演出をつとめ、高校演劇全国大会に出場した処女作『隧道(すいどう)』のリクリエーション作品です。

『隧道』は安部公房『砂の女』に現代性を持たせた作品でした。あれから3年。文化発信に精力的な劇場、キラリ☆ふじみという恵まれた土壌において、より現代性と文化的な広がりをもった『遂道』 をつくっていきたいと思います。

■作・演出

安孫子 陶


■出演者

浅見臣樹 <(劇)ヤリナゲ>

石井晴菜

岩塚光希 <喜劇のヒロイン>

浦田すみれ

後関貴大

小森ひなた

波多野伶奈

李勇雅


■プロデュース

かまどキッチン


■公演日程

2019年3月28日(木)-3月29日(金)

開演時刻

28日(木)|14:00/19:00

29日(金)|14:00


受付開始:開演60分前

客席開場:開演30分前


■場所

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ マルチホール

〒354-0021 埼玉県富士見市鶴馬(大字)1803−1


アクセスについて詳しくはこちらへ


■チケット

<前売>

一般 3000円

U22 2000円

高校生 1000円

トリオ 6000円(3枚セットでご予約いただけるお得な券です)


<当日>

一般 3500円

U22 2500円

高校生 1500円


(全席自由席・要予約)

下記URL、関係者よりご予約承っております。


■問い合わせ・公式サイトなど


■スタッフ

作演出|安孫子陶

演出助手|児玉健吾

舞台監督|ワタナベユウタ

舞台美術|鬼木美佳

音響|近藤海人

照明|松田桂一

制作|藤井のりひこ 加藤じゅんこ

主催|蒸気展望 かまどキッチン

プロデュース|かまどキッチン

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共演者、後関さんが描いた岩塚。特徴をよく捉えている。

「キラリ☆してる?」と俺が言っているのか、言われているのか。

定かではない。

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