台本日記#3「藤が丘の慶くん」

最終更新: 2018年10月22日


なごやの人しかわからないはなし。


何か知らんけどバカ寒い10月の夜

書き終えなくてはならない上演台本を抱えながら私(今週から一人称が変わります)はドトールもマクドナルドも閉まって閑散とした藤が丘にいた。



東山線藤が丘駅の無駄なロータリーを横切り、歩車分離式なのかなんなのかわからない、でも地元の人は順番を把握してるタイプの信号を渡ってしばらく歩くと、旧 青山邸が見えてくる。







旧 青山邸は

名古屋学生演劇界隈で最強の愛想を持つとされた青山さんが住んでいた家だ。毎晩のように名古屋学生演劇界の誰かが青山さんを慕い訪ねては宴好きの青山さんと酒を飲んではイタズラ電話をかけて笑いあっていた。(喜劇のヒロインの角岡栞もこのイタズラ電話の被害者として名高い)

当時、青山邸に行く事はある種のステータスとされていて大学一年生だった私も青山邸に行く事に憧れていた。


そして私が青山邸に初めて入ったのは大学二年の冬。「青山邸でルパンのカリオストロの城のミートソーススパゲッティを作ろう!」というイベントに招かれたのだ。私は緊張しながら玄関の扉を開けた。「いらっしゃい」と言う声が聞こえたかと思うと大量の靴が溢れた玄関が私の足に雪崩れてきた。さすがは青山邸、靴の量も並大抵ではないということか。


「わー!ハッハぁ!」


左を見ると台所、左奥の布団だらけの部屋、右奥のダイニング、至る所から笑い声ではない笑い声が聞こえてきた。反響している。ってなった。その後青山さんに挨拶を済ませ和風おろしスパゲティの大根おろしをおろす担当を私は買ってでた。高まる緊張感、手が滑って大根を何度も流しに落とした。「少し汚れた大根おろしもポン酢をかければ大丈夫」これは、この日私が学んだことの一つで、今も活かされている。



大根おろしをしていると、その日青山邸にいた人々と絡もうという衝動に駆られた。

あの日、私と青山邸にいたのは二年前のザサラウンンドィッドバイバイに出演してくれた内藤さん、いつも優しい太田さん、魔法使いの宇野さん、何故か額縁に入れられた林さんの写真と青山さんの5人だった。絡むのをやめた。



その後、時間をかけて作ったカリオストロの城なミートソーススパゲティよりもポン酢かけただけの和風おろしスパゲティの方が美味しい事で盛り上がったり、トランプをして殴られたり、私と青山さんが大好きな「カービィのエアライド」をしたりして盛り上がった。もちろんスマブラもやった。


その後、青山邸には三回しか行けなかったが、どれも家主の青山さんとその周辺の人が作る不条理、、理不尽な空間が私は楽しかった。


とか思いながら青山邸を眺めた。


(*青山邸は青山さんが転居された為、現在はその荘厳な建物だけが寂しく存在している。)



そうして僕(1人称が私の男は苦手)は

藤が丘の慶くんの家に向かって歩き始めたのさ。(語尾が気持ち悪い)



喜劇のヒロイン の素 ひとつめ『発声』は無事終演しました。

ご来場頂いたお客さん、面白がってくれたお客さん大好きです。



窮地


2018/10/19




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