ネガポジ日記 #8 「歯に挟まったお肉」

最終更新: 2018年12月28日

奥歯に挟まったお肉が取れません。



朝食べたチキンだと思うのですが、一度気になるとそれを取らないとどうも気持ちが悪いものです。


なんとなく今日は自転車に乗って走ってみました。

外は寒いのでマフラーと手袋をしっかり着用し、防寒対策万全です。


久々に乗りました。高校の頃は毎朝、駅まで乗っていたので懐かしかったです。


電車まで時間がないので猛ダッシュしたのを覚えてます。

ペダルを漕ぎ続けるとだんだん暑くなって、防寒対策を万全にしたことを後悔したりして、あー替えのシャツとか持ってくりゃよかったなーって。

マフラーからじんわり、毛糸と自分の汗の匂いがします。


夜になり家に帰ると、玄関の明かりセンサーが反応して、自然と電気がつきます。


廊下の奥のリビングから母親がおかえりと言ってるのが聞こえるので、ただいまーといつも通り返します。


姉貴が玄関から一番近い部屋から出てきて、康平の帰りが遅いと夕飯も遅くなるから早くしろと怒ってきます。


ごめんごめんなんて、思ってもないのに口にして、カバンを下ろしすぐに夕飯です。



ご飯を大盛りにするせいで、いつもおかずを一口だけ残しちゃって「あとそれだけなんだから食べなさい」って言うのが母親の決め台詞です。


食べ終わるとソファーに行き、なんとなくテレビを見ながらダラダラして、そのうちウトウトして、眠りそうになる一番気持ちのいいタイミングで、お風呂の時間がやってきます。


母親に起こされ、お風呂に行きます。

服は裏返しのまま洗濯カゴに突っ込み、湯船に浸かります。


長湯するタイプではないので早々に出ると、だいたい母親がテレビをザッピングしながらお酒を飲んでます。


髪の毛を乾かさないまま、母親の隣にいって、会話せずに2人でテレビを眺めます。


そのうち今日の出来事をオチもないのにダラダラと話し始めるので、それを聞いて、あーだこうだとお互いに報告会を始めます。


そのうち父親が帰ってきて、母親と一緒に、やれやれという顔を少しして、母親はご飯の準備の為に台所へ向かいます。


僕はなんとなくそのまま残って、録画してたバラエティ番組なんかを見たりします。


そのうち明日も学校だろと父親に言われて、渋々自分の部屋に戻ります。


なんとなくケータイをいじって、そのうち眠たくなるので、部屋の明かりを落とします。



リビングからは、父親の声と、母親の食器を洗う音がして、気がつくと眠っています。

















朝起きると、部屋には僕しかいなくて、昨日食べた食器はそのまま机の上で、脱ぎ散らかした服は寸分狂わずにそのままで、家の外で電車が通る音。


なんとなく眠くて大学をサボれるのも、親がいない一人暮らしならでは。


友人と夜中まで飲み歩いて終電を逃したって、誰に連絡することもない。


そういえば昨日、友達がバイト先で余ったというチキンをくれたなと思って、それを朝食代わりに。



そこらへんにあった服を着て、自転車で稽古場へ。



奥歯に挟まって何かがあって、あー多分朝食べたチキンだなと思って、頑張って舌先で取ろうとする顔はきっと周りの人は変顔してるように見えたと思うんだよね。


「自転車乗ってる人の顔なんて誰も見ないでしょ」


そうかな?そりゃそうか。


「明日も学校なんでしょ、もうそろそろ寝なさいよ」


お風呂入るまでに寝ちゃったから眠くないんだよね。


「だから、寝ないで入りなさいって言ったでしょ」


ごめんごめん


「あ、お父さん帰ってきちゃった、ちゃんと帰る時間連絡してって言ってるのに」


………。


「テレビもそこそこにして寝なさいよ」


………。



「おやすみ、こうへい」



おやすみ