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エモエモ日記 #9 「ブアナイワツカ」

執筆者の写真: 岩塚光希岩塚光希

木曜日だ。


今週もブログがある。


今のところ、何も書けていない。




正確には、書くことは浮かんでいたけど、書く時間が足りない。


あと気力も足りない。


何故か足りない。



なんでブログなんか書かなきゃいけないんだ。


今ブログで発信したいことも無ければ、発信する時間もない。


言い訳している時間も惜しいくらいに時間がない。



そういえば、いつも時間が足りないと感じている気がする。


本当に時間は足りていないのだろうか。






「本当に時間は足りていないのか?」



バス停に居た、恰幅の良い狸が声を掛けてきた。



「昨日空いてる時間にでも書けたんじゃないのか?」



狸の顔に、暇を持て余していると書いてあった。



昨日のことを思い返してみた。



昼頃にスガキヤラーメンを食べていた。



僕はラーメンを食べるのに忙しかったんだと答えた。





「なるほど。じゃあしょうがないな。」




狸の顔には、じゃあしょうがないなと書いてあった。




狸なんかと乗り合わせるのが怖かったので、バスを一本見送った。








しかし、書く時間が無いなら無いで、何か書かないといけない。


再び苛立ちが募る。


なんでブログなんか書かなきゃいけないんだ。





「一昨日は?」


バス停に居た、痩せた狸が声を掛けてきた。



「一昨日なら時間が余りに余っていたんじゃないのか?」


狸はコンクリートで爪を研いでおり、顔には、暇を持て余していると書いてあった。



狸に爪を研ぐイメージは無いので、狸じゃないのかもしれない。



一昨日のことを思い返してみた。



ラの壱ラーメンを食べていた。



僕はラーメンを食べるのに忙しかったんだと答えた。






「なるほど。じゃあしょうがないね。」



狸は爪が丸くなるまで研いでいた。



それを眺めているうちに、また一本バスを見送ってしまった。










「3日前は?3日前の空いてる時間に書けたんじゃないのか。」



バス停に居た、毛の焦げた狸が声を掛けてきたが、僕は無視をした。


昨日に時間が無いなら、一昨日も時間は無い。


一昨日に時間が無いなら、3日前にもあるわけがない。


つまり、常に時間なんか無い。


ブログなんか書く必要がない。





「気付いた?」


誰かに言われた。


「君には時間が無い。ブログを書くには時間が掛かる。君はブログを書くべきじゃないんだよ。」


目当てのバスがやってきたが、僕は乗らなかった。



また来週、乗り過ごさなければ大丈夫。



大丈夫だと思っている。







大丈夫です。

























大丈夫です。




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